改善レポ8・肩の痛み(軟骨)の節子さん
左右どちらかだけに重い症状が出るタイプの痛みや疲れもなかなかつらいですよね。
加賀節子さん(80代)も、左肩が特に痛む状態でご来院されました。
左腕を上に上げようとしても90度くらいまでしか上がらないのです(つまり地面と平行にするのが精一杯な状態です)。きちんと動かせる右側と比べると、左側の異常が特に目立ちます。
主婦業をされている女性の身体の疲れや痛みはなかなか周囲に理解されにくいケースが多いですが、実はお洗濯やお買い物で全身をくまなく使っていて(もちろん気も使われていて)往々にしてお疲れが溜まっているような方も多いですよね。そういう日々の疲れや痛みを放置しないことが大切です。
節子さんのケースは「変形性肩関節症」といって、骨と骨の間にある軟骨がすり減ってしまって痛みが生じるタイプでした。
これを放っておくと、痛いところに体内の水分が溜まるようになります。
「膝に水が溜まってしまって……」なんていう方の症状も同じです。軟骨というクッションが弱まってしまい、それを補うために体内の水分を集めようとするのです。
外科的な処置では「じゃあその水分を抜きましょう!」とおっしゃる先生も多いと思います。水が溜まっているせいで関節の動きが悪いんだ、とお考えになる方も多いからです。
確かに水分を抜くことで一時的に腫れが引いたりして、動かしにくかった関節がよく動くようになったりします。ですが、そもそもどうして水が溜まるの?というところを考えてみると、根本原因は他にある……という場合がとても多いのです。
すり減ってしまった軟骨を再生させるのはとても難しいのですが、整体では痛む関節の周辺の筋肉や腱、リンパや血流を整えて、関節の動きをきちんとサポートする筋肉群を作ることはできます。
節子さんにも、肩周辺の筋肉や筋膜(筋肉を覆っている薄い膜です)をしなやかで柔軟に動くように調整し、同時に、痛みを溜めずにきちんと流せるように血行とリンパの流れを徹底的に改善させるような施術を組み立てました。
90度までしか上がらなかった腕が、110度、120度と、だんだんきちんと上がるようになっていくと、ご本人も喜んでくださいますし、私たちも嬉しくなります。
整形外科では手術を勧められるほどだった肩が、今では「もう少し高い棚のものを取るのに不自由がなくなるのが目標!」とおっしゃっています^^
軟骨がすり減るというのは加齢と共に誰にでも起こることですが、誰もがその先につらい手術やリハビリが待っているわけではありません。その差はなに?と考えてみると、やはり日頃のなにげないストレッチや定期的なメンテナンスの積み重ねではないかと思うのです。
皆様も日頃からご自分の身体に無理をさせずに、身体が喜ぶような処置をしながら毎日を楽しんでいきましょう!